クラスと真のクラスの定義と性質

クラスと真のクラスの定義と性質

クラスと真のクラスの定義
NBG(ノイマン・ベルナイス・ゲーデル)公理系でのクラスと真のクラスは次のようになります。

(1)クラス

\(X\)を集合としてある性質\(\psi\left(X\right)\)を満たすもの全体の集まりをクラスといいます。
すなわち、クラス\(C\)は
\[ C=\left\{ X;X\text{は集合で}\psi\left(X\right)\text{を満たす}\right\} \] で表されます。
クラスの定め方よりクラスの元は集合となります。

(2)真のクラス

クラス\(X\)があり、任意のクラス\(Y\)について、\(X\notin Y\)となるとき、\(X\)を真のクラスといいます。
全ての集合の集まりである全集合\(V\)やラッセルのクラス\(R=\left\{ X;X\notin X\right\} \)などは真のクラスになります。
真のクラスであることと、クラスであるが集合でないクラスであることは同値です。

クラスと真のクラスの性質

(1)

任意の集合\(X\)はあるクラス\(C\)が存在し、\(X\in C\)となる。

(2)

集合ならばクラスである。
逆は一般的に成り立たない。

(3)

真のクラスは集合とはなりません。

(4)

順序数全ての集まり\(\mathrm{on}=\left\{ 0,1,\cdots,\omega,\omega+1,\cdots\right\} \)は真のクラスとなる。
\(\mathrm{on}\)は(Ordinal numbers)の略です。

(1)

NBG公理系とはZFC公理系のような集合論での公理で、集合の他にクラスなどが定義されています。

(2)

集合はZFC公理系を使ってNBG公理系で定義されているクラスを使ってもNBG公理系はZFC公理系の上位互換版なので矛盾は生じません。

(3)

集合を集めたものを集合としてしまうとラッセルのパラドックスのようなことが起こるので、集合を集めたものは集合とせずにクラスとするということです。

(4)

全ての集合の集まりである全集合\(V\)を宇宙や全宇宙ともいいます。

(5)

クラスは集合を集めたものですが、集合を集めてもクラスになるとは限りません。
クラスは集合を集めたものとなるのはクラスの定め方より明らかです。
しかし、集合全体のサイズはあらゆる濃度を超える絶対無限\(\Omega\)であり、絶対無限サイズから選ぶ・選ばないを選択して作られる集まりのサイズは絶対無限サイズを超えるサイズであり、数式で書き表すことが不可能なものが存在するので、集合を集めてもクラスになるとは限りません。
クラスや集合とは無関係ですが分かりやすい例は
\[ A=\left\{ x\in\mathbb{R};x\text{は数式などを使って表せる実数}\right\} \] とすると、\(A\subsetneq\mathbb{R}\)となり、\(A\)ならば\(\mathbb{R}\)の元ですが、\(\mathbb{R}\)の元でも\(A\)の元になるとは限らないということです。

(1)

全集合\(V\)は全ての集合を含むクラスなので\(X\in V\)となる。
従って題意は成り立つ。

(2)

集合を\(X\)とする。
このとき、\(\psi\left(x\right)\Leftrightarrow x\in X\)としてクラスを\(C_{X}=\left\{ x;x\text{は集合で}x\in X\right\} \)とすると\(C_{X}=\left\{ x;x\in X\right\} =X\)となり、集合\(X\)はクラスとなる。
従って題意は成り立つ。

(3)

真のクラスとなる集合\(X\)が存在すると仮定する。
このとき、\(X\)は真のクラスであるので、任意のクラス\(Y\)について、\(X\notin Y\)となる。
ここで、クラス\(Y\)を
\begin{align*} Y & =\left\{ A;A\text{は集合で}A=X\text{を満たす}\right\} \\ & =\left\{ X\right\} \end{align*} とすると、\(X\in\left\{ X\right\} =Y\)となるが、\(X\notin Y\)なので矛盾。
従って背理法より、真のクラスとなる集合は存在しない。
故に題意は成り立つ。

(4)

順序数は自分より小さい全ての順序数を集めた集合と定義されます。
例えば、
\[ 0=\emptyset \] \[ 1=\left\{ 0\right\} \] \[ 2=\left\{ 0,1\right\} \] \[ \omega=\left\{ 0,1,2,\cdots\right\} \] となってます。
順序数は集合であり、
\[ \mathrm{on}=\left\{ x;x\text{は順序数}\right\} \] と表すことができるので\(\mathrm{on}\)はクラスになります。
ここで\(\mathrm{on}\)が集合であると仮定する。
更に\(\mathrm{on}\)が推移的(\(0\)から隙間なく揃っている)でないと仮定する。
そうすると、ある集合\(x,y\)が存在し、\(y\in\mathrm{on}\)かつ\(x\in y\)であるが\(x\notin\mathrm{on}\)となる。
しかし、\(y\in\mathrm{on}\)であるので、\(y\)は順序数であり、順序数の要素も順序数なので、\(x\in y\)より\(x\)も順序数になり\(x\in\mathrm{on}\)となる。
これより、\(x\notin\mathrm{on}\)かつ\(x\in\mathrm{on}\)となり矛盾。
従って、背理法より\(\mathrm{on}\)は推移的となる。
従って、\(\mathrm{on}\)の元は順序数であり、\(\mathrm{on}\)は推移的かつ\(\in\)によって整列されている。
これより、\(\mathrm{on}\)自身が順序数となり、\(\mathrm{on}\in\mathrm{on}\)となる。
しかし、順序数での\(\in\)は\(<\)を表しているので、\(\mathrm{on}<\mathrm{on}\)となり、矛盾が生じる。
従って、背理法より、\(\mathrm{on}\)は集合でない。
これより、\(\mathrm{on}\)はクラスであり集合でないので真のクラスになる。
従って題意は成り立つ。

補足

全ての基数(濃度)のクラス\(\left\{ \aleph_{0},\aleph_{1},\cdots,\aleph_{\omega},\aleph_{\omega+1},\cdots\right\} \)も真のクラスになります。
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タイトル
クラスと真のクラスの定義と性質
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https://www.nomuramath.com/im5ylcrj/
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