距離空間ではコンパクト集合と点列コンパクト集合とは同値

距離空間ではコンパクト集合と点列コンパクト集合とは同値
距離空間\(\left(X,d\right)\)の部分集合\(A\subseteq X\)がコンパクト集合であることと、点列コンパクト集合とは同値である。
位相空間では点列コンパクト集合ならばコンパクト集合もコンパクト集合ならば点列コンパクト集合も一般的に成り立ちません。

(0)

\(\Rightarrow\)

\(A\subseteq X\)の任意の点列\(\left(a_{n}\right)_{n\in\mathbb{N}}\)を考える。
もし、集合\(\left\{ a_{n};n\in\mathbb{N}\right\} \)が有限集合ならばある\(m\in\mathbb{N}\)が存在し\(a_{m}=a_{n}\)となる\(n\)が無限に存在するので1点だけからなる収束部分列\(\left(a_{m}\right)_{n\in\mathbb{N}}\)を作れる。
もし、集合\(\left\{ a_{n};n\in\mathbb{N}\right\} \)が無限集合ならば、コンパクト集合の部分集合が無限集合ならば集積点\(a\)を持つので、収束部分列\(\left(a_{n\left(k\right)}\right)_{k\in\mathbb{N}}\)を作れる。
これより、\(\left\{ a_{n};n\in\mathbb{N}\right\} \)が有限集合でも無限集合でも収束部分列を作れるので点列コンパクト集合となる。
故に\(\Rightarrow\)が成り立つ。

\(\Leftarrow\)

条件より点列コンパクト集合であるので全有界となる。
全有界なので任意の\(\epsilon>0\)に対し、ある有限個の元\(x_{1},x_{2},\cdots,x_{n}\)が存在し、\(X=\bigcup_{k=1}^{n}U\left(x_{k};\epsilon\right)\)を満たす。
また、点列コンパクト集合であるのでルベーグの被覆補題より、任意の開被覆\(\mathcal{U}\)に対し、あるルベーグ数\(3\epsilon>0\)が存在し、任意の部分集合\(U\left(x_{k};\epsilon\right)\subseteq X\)に対し、開被覆\(\mathcal{U}\)のある元\(U_{\lambda_{k}}\in\mathcal{U}\)が存在し、\(\diam\left(U\left(x_{k};\epsilon\right)\right)=2\epsilon<3\epsilon\rightarrow U\left(x_{k};\epsilon\right)\subseteq U_{\lambda_{k}}\)が成り立つ。
これより、\(X=\bigcup_{k=1}^{n}U\left(x_{k};\epsilon\right)\subseteq\bigcup_{k=1}^{n}U_{\lambda_{k}}\)となり、、任意の開被覆\(\mathcal{U}\)に対し、その有限個の元の元で\(X\)を覆うことが出来るのでコンパクト集合となる。
従って\(\Leftarrow\)が成り立つ。

\(\Leftrightarrow\)

これらより、\(\Rightarrow\)と\(\Leftarrow\)が成り立つので\(\Leftrightarrow\)となる。

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距離空間ではコンパクト集合と点列コンパクト集合とは同値
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