有界閉区間上でのハイネ・カントールの定理

有界閉区間上でのハイネ・カントールの定理
有界閉区間\(I\)上で関数\(f\)が連続ならば一様連続である。
一般的に、\(A\)をコンパクトな距離空間、\(B\)を距離空間とすると、任意の連続関数\(f:A\rightarrow B\)は一様連続となる。
有界閉区間上で連続であっても一様連続ではないと仮定する。
そうすると、
\[ \exists\epsilon>0,\forall\delta>0,\exists x_{1},x_{2}\in X;d_{X}\left(x_{1},x_{2}\right)<\delta\land d_{Y}\left(f\left(x_{1}\right),f\left(x_{2}\right)\right)\geq\epsilon \] が成り立つ。
ある\(\epsilon>0\)が存在し、任意の自然数\(n\)に対し\(\delta=\frac{1}{n}\)して、\(a_{n},b_{n}\)を\(\left|a_{n}-b_{n}\right|<\delta\land\left|f\left(a_{n}\right)-f\left(b_{n}\right)\right|\geq\epsilon\)となるようにとる。
ここで有界閉区間なので、ボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理より、数列\(\left(a_{n}\right)_{n\in\mathbb{N}}\)から\(I\)のある元\(a\)に収束する部分列\(\left(a_{n_{k}}\right)_{k\in\mathbb{N}}\)をもつ。
これより、\(\left|a_{n_{k}}-b_{n_{k}}\right|<\frac{1}{n_{k}}\)であるので、\(k\rightarrow\infty\)とすると、\(\left|a-b_{n_{k}}\right|=0\)となるので、数列\(\left(b_{n_{k}}\right)_{k\in\mathbb{N}}\)も\(a\)に収束する。
従って、\(\left|f\left(a_{n_{k}}\right)-f\left(b_{n_{k}}\right)\right|\geq\epsilon\)より、\(\lim_{k\rightarrow\infty}\left|f\left(a_{n_{k}}\right)-f\left(b_{n_{k}}\right)\right|=\left|f\left(a\right)-f\left(a\right)\right|=0\geq\epsilon\)となり矛盾。
故に背理法より仮定が間違いで、有界閉区間上で連続であれば一様連続となる。

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有界閉区間上でのハイネ・カントールの定理
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