上限位相・下限位相での開集合と閉集合
上限位相・下限位相での開集合と閉集合
上限位相・下限位相での次の集合は開集合・閉集合となる。
上限位相
上限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{u}\right)\)が与えられたとき、\(a,b\in\mathbb{R},a<b\)とする。
下限位相
下限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{l}\right)\)が与えられたとき、\(a,b\in\mathbb{R},a<b\)とする。
上限位相・下限位相での次の集合は開集合・閉集合となる。
上限位相
上限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{u}\right)\)が与えられたとき、\(a,b\in\mathbb{R},a<b\)とする。
(1)
\(\left(a,b\right]\)は閉集合かつ開集合となる。(2)
\(\left(a,b\right)\)は開集合であるが閉集合ではない。(3)
\(\left[a,b\right]\)は閉集合であるが開集合ではない。下限位相
下限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{l}\right)\)が与えられたとき、\(a,b\in\mathbb{R},a<b\)とする。
(4)
\(\left[a,b\right)\)は閉集合かつ開集合となる。(5)
\(\left(a,b\right)\)は開集合であるが閉集合ではない。(6)
\(\left[a,b\right]\)は閉集合であるが開集合ではない。(1)
\(\left(a,b\right]\)の補集合は\begin{align*} \left(a,b\right]^{c} & =\left(-\infty,a\right]\cup\left(b,\infty\right)\\ & =\bigcup_{n\in\mathbb{N}}\left(a-n,a\right]\cup\bigcup_{n\in\mathbb{N}}\left(b,b+n\right] \end{align*} となるので、開集合となる。
これより、\(\left(a,b\right]\)は開基であるので開集合となり、また\(\left(a,b\right]\)の補集合は開集合なので閉集合でもある。
故に\(\left(a,b\right]\)は閉集合かつ開集合となる。
(2)
\(\left(a,b-\frac{1}{n}\right]\)を\(n\in\mathbb{N},a<b-\frac{1}{n}\)を満たす\(n\)について和集合をとると、\(\left(a,b\right)=\bigcup_{n>\frac{1}{b-a}}\left(a,b-\frac{1}{n}\right]\)となるので開集合の和集合で表されるので\(\left(a,b\right)\)は開集合となる。また、\(b\in\left(a,b\right)^{c}\)であるが、\(b\)を要素に持つ\(\epsilon\)近傍\(U_{\epsilon}\left(b\right)\)は任意の\(\epsilon>0\)に対し、\(U_{\epsilon}\left(b\right)\nsubseteq\left(-\infty,a\right]\cup\left[b,\infty\right)=\left(a,b\right)^{c}\)となるので閉集合ではない。
故に\(\left(a,b\right)\)は開集合であるが閉集合ではない。
(3)
\(\left[a,b\right]\)の補集合は\(\left[a,b\right]^{c}=\left(-\infty,a\right)\cup\left(b,\infty\right)\)となり開集合同士の和集合なので開集合となる。しかし、\(a\in\left[a,b\right]\)であるが、\(a\)を要素に持つ\(\epsilon\)近傍\(U_{\epsilon}\left(a\right)\)は任意の\(\epsilon>0\)に対し、\(U_{\epsilon}\left(a\right)\nsubseteq\left[a,b\right]\)となるので開集合ではない。
故に\(\left[a,b\right]\)は閉集合であるが開集合ではない。
(4)-(6)
上限位相と同様にすればいい。ページ情報
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