反エルミート行列の性質

反エルミート行列の性質
反エルミート行列について次が成り立つ。

(1)転置

反エルミート行列\(A\)の転置\(A^{T}\)は元の行列の複素共役のマイナス\(-\overline{A}\)に等しい、すなわち\(A^{T}=-\overline{A}\)となる。

(2)対角成分

反エルミート行列の対角成分の実部は0である。

(3)対角化

反エルミート行列\(A\)ならば、ユニタリ行列によって対角化が可能である。
逆は一般的に成り立たない。

(4)

反エルミート行列\(A\)があるとき\(iA\)はエルミート行列になる。

(5)

正方行列\(A\)があるとき\(A-A^{*}\)は反エルミート行列となる。

(6)

反エルミート行列ならば正規行列である。
逆は一般的に成り立たない。

(7)

\(n\)次反エルミート行列の独立な成分は\(\frac{n\left(n-1\right)}{2}\)個である。
その他次が成り立つ。

(1)固有値

反エルミート行列の固有値は全て純虚数である。

(2)標準エルミート内積

体\(K\)上で\(x,y\in K^{n}\)として標準エルミート内積について\(\left\langle A\boldsymbol{x},\boldsymbol{y}\right\rangle =-\left\langle \boldsymbol{x},A\boldsymbol{y}\right\rangle \)が成り立つ。

(3)

実反対称行列ならば反エルミート行列であるが、逆は一般的に成り立たない。

(1)

\begin{align*} \left(A^{T}\right)_{i,j} & =\left(A\right)_{j,i}\\ & =\left(-A^{*}\right)_{j,i}\\ & =\left(-\overline{A^{T}}\right)_{j,i}\\ & =\left(-\overline{A}\right)_{i,j} \end{align*} となるので、\(A^{T}=-\overline{A}\)となる。
従って題意は成り立つ。

(2)

\begin{align*} \Re\left(\left(A\right)_{i,i}\right) & =\frac{1}{2}\left(\left(A\right)_{i,i}+\overline{\left(A\right)_{i,i}}\right)\\ & =\frac{1}{2}\left(\left(A\right)_{i,i}+\left(\overline{A}\right)_{i,i}\right)\\ & =\frac{1}{2}\left(\left(A\right)_{i,i}+\left(-\overline{A^{*}}\right)_{i,i}\right)\\ & =\frac{1}{2}\left(\left(A\right)_{i,i}+\left(-A^{T}\right)_{i,i}\right)\\ & =\frac{1}{2}\left(\left(A\right)_{i,i}-\left(A\right)_{i,i}\right)\\ & =0 \end{align*} となるので題意は成り立つ。

(3)

\(\Rightarrow\)

反エルミート行列は正規行列であるのでユニタリ行列によって対角化が可能である。

逆は一般的に成り立たない。

反例で示す。
\(A=I\)とおくと、\(A\)は既に対角化がされているので対角化が可能であるが、 \(A\)は反エルミート行列ではない。 従って、逆は一般的に成り立たない。

(4)

\begin{align*} \left(iA\right)^{*} & =-iA^{*}\\ & =-i\left(-A\right)\\ & =iA \end{align*} となるので\(iA\)はエルミート行列となる。

(5)

\begin{align*} \left(A-A^{*}\right)^{*} & =A^{*}-A^{**}\\ & =A^{*}-A\\ & =-\left(A-A^{*}\right) \end{align*} となるので\(A-A^{*}\)は反エルミート行列となる。

(6)

\(\Rightarrow\)

\(A\)を反エルミート行列とする。
このとき、\(A=-A^{*}\)なので\(A^{*}A-AA^{*}=-A^{2}+A^{2}=O\)となるので正規行列となる。
従って\(\Rightarrow\)が成り立つ。

逆は一般的に成り立たない

反例で示す。
\(A=I\)とおくと、\(A^{*}=I\)なので\(A^{*}A-AA^{*}=I-I=O\)なので正規行列であるが、\(A=I\ne-I=-A^{*}\)であるので反エルミート行列ではない。
従って逆は一般的に成り立たない。

(7)

\(n\)次反エルミート行列は\(n\times n\)行列であり、独立な成分は区別出来る\(n\)個の中から重複を許さず2個選ぶ場合の数なので\(C\left(n,2\right)=\frac{n\left(n-1\right)}{2}\)個となる。
従って題意は成り立つ。
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タイトル
反エルミート行列の性質
URL
https://www.nomuramath.com/vo16umgi/
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