バナッハ空間とヒルベルト空間の定義
バナッハ空間とヒルベルト空間の定義
バナッハ空間とヒルベルト空間を次で定義する。
すなわち、ノルム空間\(\left(V,\left\Vert \bullet\right\Vert \right)\)があり、任意のコーシー列\(\left(\boldsymbol{v}_{k}\right)_{k\in\mathbb{N}}\subseteq V\)に対し、ある\(\boldsymbol{v}\in V\)が存在し、\(\lim_{k\rightarrow\infty}\left\Vert \boldsymbol{v}_{k}-\boldsymbol{v}\right\Vert =0\)、言い換えると\(\lim_{k\rightarrow\infty}\boldsymbol{v}_{k}=\boldsymbol{v}\)となるとき、ノルム空間\(V\)はバナッハ空間となる。
つまり、ノルム\(\left\Vert \bullet\right\Vert \)から誘導される距離を\(d\)として、距離空間\(\left(V,d\right)\)が完備距離空間となるとき、バナッハ空間となる。
すなわち、内積空間\(V\)があり、任意のコーシー列\(\left(\boldsymbol{v}_{k}\right)_{k\in\mathbb{N}}\subseteq V\)に対し、ある\(\boldsymbol{v}\in V\)が存在し、\(\lim_{k\rightarrow\infty}\left\Vert \boldsymbol{v}_{k}-\boldsymbol{v}\right\Vert =\lim_{k\rightarrow\infty}\sqrt{\left\langle \boldsymbol{v}_{k}-\boldsymbol{v},\boldsymbol{v}_{k}-\boldsymbol{v}\right\rangle }=0\)となるとき、内積空間\(V\)はヒルベルト空間となる。
つまり、内積\(\left\langle \bullet,\bullet\right\rangle \)から誘導されるノルムを\(\left\Vert \bullet\right\Vert \)として、ノルム空間\(\left(V,\left\Vert \bullet\right\Vert \right)\)がバナッハ空間となるとき、ヒルベルト空間という。
バナッハ空間とヒルベルト空間を次で定義する。
(1)バナッハ空間
完備なノルム空間をバナッハ空間という。すなわち、ノルム空間\(\left(V,\left\Vert \bullet\right\Vert \right)\)があり、任意のコーシー列\(\left(\boldsymbol{v}_{k}\right)_{k\in\mathbb{N}}\subseteq V\)に対し、ある\(\boldsymbol{v}\in V\)が存在し、\(\lim_{k\rightarrow\infty}\left\Vert \boldsymbol{v}_{k}-\boldsymbol{v}\right\Vert =0\)、言い換えると\(\lim_{k\rightarrow\infty}\boldsymbol{v}_{k}=\boldsymbol{v}\)となるとき、ノルム空間\(V\)はバナッハ空間となる。
つまり、ノルム\(\left\Vert \bullet\right\Vert \)から誘導される距離を\(d\)として、距離空間\(\left(V,d\right)\)が完備距離空間となるとき、バナッハ空間となる。
(2)ヒルベルト空間
内積空間\(\left(V,\left\langle \bullet,\bullet\right\rangle \right)\)であり、内積から誘導されるノルムが完備である空間をヒルベルト空間という。すなわち、内積空間\(V\)があり、任意のコーシー列\(\left(\boldsymbol{v}_{k}\right)_{k\in\mathbb{N}}\subseteq V\)に対し、ある\(\boldsymbol{v}\in V\)が存在し、\(\lim_{k\rightarrow\infty}\left\Vert \boldsymbol{v}_{k}-\boldsymbol{v}\right\Vert =\lim_{k\rightarrow\infty}\sqrt{\left\langle \boldsymbol{v}_{k}-\boldsymbol{v},\boldsymbol{v}_{k}-\boldsymbol{v}\right\rangle }=0\)となるとき、内積空間\(V\)はヒルベルト空間となる。
つまり、内積\(\left\langle \bullet,\bullet\right\rangle \)から誘導されるノルムを\(\left\Vert \bullet\right\Vert \)として、ノルム空間\(\left(V,\left\Vert \bullet\right\Vert \right)\)がバナッハ空間となるとき、ヒルベルト空間という。
ヒルベルト空間ならばバナッハ空間であり、バナッハ空間が中線定理を満たすときヒルベルト空間になります。
バナッハ空間の定義より、\(\Rightarrow\)は明らかに成り立つ。
逆は一般的に成り立たないことを反例で示す。
有理数全体の集合\(\mathbb{Q}\)上でベクトル空間を\(\mathbb{Q}\)、ノルムを絶対値として定めるとノルム空間になるが完備ではないのでバナッハ空間ではない。
従って逆は一般的に成り立たない。
ヒルベルト空間の定義より、\(\Rightarrow\)は明らかに成り立つ。
逆は一般的に成り立たないことを反例で示す。
有理数全体の集合\(\mathbb{Q}\)上でベクトル空間を\(\mathbb{Q}\)、内積を通常の積として定めると内積空間になるが完備ではないのでヒルベルト空間ではない。
従って逆は一般的に成り立たない。
バナッハ空間であればノルム空間
バナッハ空間であればノルム空間であるが、逆は一般的に成り立たない。バナッハ空間の定義より、\(\Rightarrow\)は明らかに成り立つ。
逆は一般的に成り立たないことを反例で示す。
有理数全体の集合\(\mathbb{Q}\)上でベクトル空間を\(\mathbb{Q}\)、ノルムを絶対値として定めるとノルム空間になるが完備ではないのでバナッハ空間ではない。
従って逆は一般的に成り立たない。
ヒルベルト空間であれば内積空間
ヒルベルト空間であれば内積空間であるが、逆は一般的に成り立たない。ヒルベルト空間の定義より、\(\Rightarrow\)は明らかに成り立つ。
逆は一般的に成り立たないことを反例で示す。
有理数全体の集合\(\mathbb{Q}\)上でベクトル空間を\(\mathbb{Q}\)、内積を通常の積として定めると内積空間になるが完備ではないのでヒルベルト空間ではない。
従って逆は一般的に成り立たない。
ノルム空間であるがバナッハ空間でない例
区間\(\left[0,1\right]\)で連続な関数全体を\(C\left[0,1\right]\)で表すと\(C\left[0,1\right]\)はベクトル空間となる。ベクトル空間\(C\left[0,1\right]\)にノルムを
\[ \left\Vert f\right\Vert =\int_{0}^{1}\left|f\left(x\right)\right|dx \] として定めると、\(C\left[0,1\right]\)はノルム空間であるがバナッハ空間ではない。
これを証明する。
\(C\left[0,1\right]\)はノルム空間であるので、バナッハ空間でないことを示す。
\(f_{k}\left(x\right)=x^{k}\in C\left[0,1\right]\)とすると、
\begin{align*} \lim_{m,n\rightarrow\infty}\left\Vert f_{m}-f_{n}\right\Vert & =\lim_{m,n\rightarrow\infty}\int_{0}^{1}\left|f_{m}\left(x\right)-f_{n}\left(x\right)\right|dx\\ & =\lim_{m,n\rightarrow\infty}\int_{0}^{1}\left|x^{m}-x^{n}\right|dx\\ & =\lim_{m,n\rightarrow\infty}\int_{0}^{1}\sgn\left(n-m\right)\left(x^{m}-x^{n}\right)dx\\ & =\lim_{m,n\rightarrow\infty}\sgn\left(n-m\right)\left[\frac{1}{m+1}x^{m+1}-\frac{1}{n+1}x^{n+1}\right]_{0}^{1}\\ & =\lim_{m,n\rightarrow\infty}\sgn\left(n-m\right)\left(\frac{1}{m+1}-\frac{1}{n+1}\right)\\ & =0 \end{align*} となるのでコーシー列であるが、
\begin{align*} \lim_{k\rightarrow\infty}f_{k}\left(x\right) & =\lim_{k\rightarrow\infty}x^{k}\\ & =\begin{cases} 0 & 0\leq x<1\\ 1 & x=1 \end{cases} \end{align*} となり、連続ではないので\(f\notin C\left[0,1\right]\)となる。
従って\(C\left[0,1\right]\)はバナッハ空間ではない。
ページ情報
| タイトル | バナッハ空間とヒルベルト空間の定義 |
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直交系・正規直交系・完全正規直交系の定義
\[
\forall k,\left\langle \boldsymbol{x},\boldsymbol{e}_{k}\right\rangle =0\rightarrow\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}
\]
ノルム空間・中線定理・内積空間の関係
\[
\text{ノルム空間}+\text{中線定理}\Leftrightarrow\text{内積空間}
\]
コーシー・シュワルツの不等式
\[
\left|\left\langle \boldsymbol{x},\boldsymbol{y}\right\rangle \right|\leq\left\Vert \boldsymbol{x}\right\Vert \left\Vert \boldsymbol{y}\right\Vert
\]
内積空間の定義
\[
\left(V,\left\langle \cdot,\cdot\right\rangle \right)
\]

