生成される部分空間

生成される部分空間
体\(K\)上のベクトル空間\(V\)があり、\(n\in\mathbb{N};\boldsymbol{x}_{1},\boldsymbol{x}_{2},\cdots,\boldsymbol{x}_{n}\in V\)として、\(V\)の部分集合を
\[ W=\left\{ \sum_{k=1}^{n}c_{k}\boldsymbol{x}_{k};c_{1},c_{2},\cdots,c_{n}\in K\right\} \] とすると\(W\)は\(V\)の部分空間となる。
これを\(\boldsymbol{x}_{1},\boldsymbol{x}_{2},\cdots,\boldsymbol{x}_{n}\)で生成される\(V\)の部分空間といい
\[ W=\left\langle \boldsymbol{x}_{1},\boldsymbol{x}_{2},\cdots,\boldsymbol{x}_{n}\right\rangle _{K} \] で表す。

(1)

実数\(\mathbb{R}\)上のベクトル空間\(\mathbb{R}^{2}\)があるとき、\(W=\left\{ \left(x,y\right)\in\mathbb{R}^{2};x+2y=0\right\} \)は部分空間になる。
何故なら原点は\(\left(0,0\right)\in W\)である。
和については、\(\left(x_{1},y_{1}\right),\left(x_{2},y_{2}\right)\in W\)のとき、\(\left(x_{1},y_{1}\right)+\left(x_{2},y_{2}\right)=\left(x_{1}+x_{2},y_{1}+y_{2}\right)\)は\(\left(x_{1}+x_{2}\right)+2\left(y_{1}+y_{2}\right)=x_{1}+2y_{1}+x_{2}+2y_{2}=0+0=0\)となるので、\(\left(x_{1}+x_{2},y_{1}+y_{2}\right)\in W\)となる。
スカラー倍については、\(\left(x,y\right)\in W,c\in\mathbb{R}\)とすると、\(c\left(x,y\right)=\left(cx,cy\right)\)は\(cx+2cy=c\left(x+2y\right)=c\cdot0=0\)となるので、\(c\left(x,y\right)\in W\)となる。
これより、\(W\)は\(\mathbb{R}^{2}\)の部分空間になる。

(2)

実数\(\mathbb{R}\)上のベクトル空間\(\mathbb{R}^{2}\)があるとき、\(W=\left\{ \left(x,y\right)\in\mathbb{R}^{2};x+2y=1\right\} \)は部分空間にならない。
何故なら原点は\(\left(0,0\right)\notin W\)であり、また\(\left(1,0\right)\)は\(W\)の要素であるが、スカラー倍は\(2\left(1,0\right)=\left(2,0\right)\notin W\)となる。
従って\(W\)は\(\mathbb{R}^{2}\)の部分空間ではない。

(3)

実数\(\mathbb{R}\)上のベクトル空間\(\mathbb{R}^{2}\)があるとき、\(W=\left\{ \left(x,y\right)\in\mathbb{R}^{2};xy=0\right\} \)は部分空間にならない。
何故なら\(\left(1,0\right)\in W,\left(0,1\right)\in W\)であるが、和は\(\left(1,0\right)+\left(0,1\right)=\left(1,1\right)\notin W\)である。
従って\(W\)は\(\mathbb{R}^{2}\)の部分空間ではない。
\(W\)は\(V\)の部分空間となることの証明
任意の\(\boldsymbol{x},\boldsymbol{x}'\in W\)に対し、ある\(c_{1},c_{2},\cdots,c_{n},d_{1},d_{2},\cdots,d_{n}\in K\)が存在し、\(\boldsymbol{x}=\sum_{k=1}^{n}c_{k}\boldsymbol{x}_{k},\boldsymbol{x}'=\sum_{k=1}^{n}d_{k}\boldsymbol{x}_{k}\)と表せる。
零ベクトルについては\(0\in K\)なので、\(0=0\boldsymbol{x}\in W\)となり要素にもつ。
和については、
\begin{align*} \boldsymbol{x}+\boldsymbol{x}' & =\sum_{k=1}^{n}c_{k}\boldsymbol{x}_{k}+\sum_{k=1}^{n}d_{k}\boldsymbol{x}_{k}\\ & =\sum_{k=1}^{n}\left(c_{k}+d_{k}\right)\boldsymbol{x}_{k}\\ & \in W \end{align*} となるので閉じている。
また、スカラー倍については、任意の\(a\in K\)に対し、
\begin{align*} a\boldsymbol{x} & =a\sum_{k=1}^{n}c_{k}\boldsymbol{x}_{k}\\ & =\sum_{k=1}^{n}\left(ac_{k}\right)\boldsymbol{x}_{k}\\ & \in W \end{align*} となるので閉じている。
これらより、\(W\)は\(V\)の部分空間となるので題意は成り立つ。
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生成される部分空間
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