円周角の定理とその逆とタレスの定理
円周角の定理とその逆とタレスの定理
\[ \angle BOA=2\angle BPA \] となる。

\[ \angle BP_{1}A=\angle BP_{2}A \] となる。

(1)円周角の定理
点\(O\)を中心とする円\(C\)があるとき\(C\)上に反時計回りに弧\(AB\)をとり、弧\(AB\)を除く\(C\)上に\(P\)を取ると、\[ \angle BOA=2\angle BPA \] となる。
(2)円周角の定理
弧\(AB\)を除く\(C\)上に\(P_{1},P_{2}\)を取ると、\[ \angle BP_{1}A=\angle BP_{2}A \] となる。
(3)円周角の定理の逆
4点\(A,B,C,D\)があり、直線\(A,B\)に対し点\(C,D\)が同じ側にあり、\(\angle BCA=\angle BDA\)が成り立つならば\(A,B,C,D\)は同一円周上にある。(4)タレスの定理
直径に対する円周角は直角である。(2)の逆(3)は成り立ちますが(1)の逆は成り立ちません。
(1)の逆が成り立たないのは次のようになります。
4点\(A,B,P,O\)があり、直線\(A,B\)に対し点\(P,O\)が同じ側にあり\(\angle BOA=2\angle BPA\)を満たしても\(\triangle ABP\)の外接円の中心が\(O\)になるとは限りません。
これを証明する。
\(\triangle ABP\)の外接円の中心を\(O\)'とする。
円周角の定理より、\(\triangle ABO'\)の外接円\(C'\)を考え、弧\(AB\)を除く\(C'\)上に\(O'\)とは違うところに点\(O\)を取ると、\(\angle BO'A=\angle BOA\)となる。
これより、\(2\angle BPA=\angle BO'A=\angle BOA\)となるが、\(\triangle ABP\)の外接円の中心は\(O'\)であり、\(O\)'と\(O\)は異なる点で外接円の中心は1つなので、\(O\)は\(\triangle ABP\)の外接円の中心ではない。
従って題意は成り立つ。
(1)の逆が成り立たないのは次のようになります。
4点\(A,B,P,O\)があり、直線\(A,B\)に対し点\(P,O\)が同じ側にあり\(\angle BOA=2\angle BPA\)を満たしても\(\triangle ABP\)の外接円の中心が\(O\)になるとは限りません。
これを証明する。
\(\triangle ABP\)の外接円の中心を\(O\)'とする。
円周角の定理より、\(\triangle ABO'\)の外接円\(C'\)を考え、弧\(AB\)を除く\(C'\)上に\(O'\)とは違うところに点\(O\)を取ると、\(\angle BO'A=\angle BOA\)となる。
これより、\(2\angle BPA=\angle BO'A=\angle BOA\)となるが、\(\triangle ABP\)の外接円の中心は\(O'\)であり、\(O\)'と\(O\)は異なる点で外接円の中心は1つなので、\(O\)は\(\triangle ABP\)の外接円の中心ではない。
従って題意は成り立つ。
(1)
\begin{align*} \angle BOA & =2\pi-\angle AOB\\ & =\pi-\angle POB+\pi-\angle AOP\\ & =\angle OBP+\angle BPO+\angle OPA+\angle PAO\\ & =2\angle BPO+2\angle OPA\cmt{\because2\text{等\text{辺3角形}}}\\ & =2\angle BPA \end{align*} 符号を含めて考えているので、点\(O\)が\(\triangle APB\)の外側にあっても成り立ちます。(2)
(1)より、\begin{align*} \angle BP_{1}A & =\frac{1}{2}\angle BOA\\ & =\angle BP_{2}A \end{align*} となるので与式は成り立つ。
(3)
\(\triangle ABC\)の外接円の内部に点\(D\)があると仮定する。直線\(AD\)の外接円の交点で点\(A\)でないほうを\(E\)とすると、
\begin{align*} \angle BDA & =\angle BEA+\angle DBE\\ & >\angle BEA\\ & =\angle BCA \end{align*} となるので矛盾。
また、\(\triangle ABC\)の外接円の外部に点\(D\)があると仮定する。
直線\(AD\)の外接円の交点で点\(A\)でないほうを\(E\)とすると、
\begin{align*} \angle BDA & =\angle BEA-\angle EBD\\ & <\angle BEA\\ & =\angle BCA \end{align*} となるので矛盾。
従って、背理法より点Dは\(\triangle ABC\)の外接円上にあるので\(A,B,C,D\)は同一円周上にある。
(4)
円周角の定理で\(\angle BOA=\pi\)とおくと、\(\angle BPA=\frac{1}{2}\angle BOA=\frac{\pi}{2}\)となり直角となる。ページ情報
タイトル | 円周角の定理とその逆とタレスの定理 |
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円に内接する4角形の余弦
\[
\cos A=\frac{\left|DA\right|^{2}+\left|AB\right|^{2}-\left|BC\right|^{2}-\left|CD\right|^{2}}{2\left(\left|DA\right|\left|AB\right|+\left|BC\right|\left|CD\right|\right)}
\]
多角形での内接円の半径
\[
r=\frac{S}{s}
\]
4角形が円に外接するときの対辺の和
\[
\left|\overrightarrow{AB}\right|+\left|\overrightarrow{CD}\right|=\left|\overrightarrow{BC}\right|+\left|\overrightarrow{DA}\right|
\]
ブレートシュナイダーの公式
\[
S=\sqrt{\left(s-a\right)\left(s-b\right)\left(s-c\right)\left(s-d\right)-abcd\cos^{2}\frac{A+C}{2}}
\]