完全・増分・差分バックアップについて解説

完全・増分・差分バックアップについて解説

完全・増分・差分の違い

完全バックアップ

3回バックアップする場合を考えます。
完全バックアップは、
完全1、完全2、完全3
と毎回全データをバックアップするだけです。
もし、3回目のバックアップ後に最新のバックアップに復元するには完全3のみで復元が出来ます。

増分バックアップ

3回バックアップする場合を考えます。
増分バックアップは、
完全1、増分2、増分3
と最初に完全バックアップをしてそれ以降は前回のバックアップとの変化分を保存していきます。
完全2を作るには完全1と増分2が必要で、完全3を作るには完全1と増分2が必要となります。
増分2は完全1からの変化分で、増分3は完全2すなわち完全1と増分2からの変化分となります。
もし、3回目のバックアップ後に最新のバックアップに復元するには完全1と増分2と増分3の3つがないと復元が出来ません。

差分バックアップ

3回バックアップする場合を考えます。
差分バックアップは
完全1、差分2、差分3
と最初に完全バックアップを作成してそれ以降はこの完全バックアップとの差分を保存していきます。
完全2を作るには完全1と差分2が必要で、完全3を作るには完全1と差分3が必要となります。
もし、3回目のバックアップ後に最新のバックアップを復元するには完全1と差分3の2つがないと復元が出来ません。

ファイルサイズ

1番ファイルサイズが大きくなるのは完全バックアップで、次に差分バックアップ、1番ファイルサイズが小さいのは増分バックアップになります。
通常、バックアップする内容はほぼ同じ内容で変化が少ないので、ファイルサイズ的に毎回完全バックアップをすることは効率が悪くなります。
ですので、通常は増分バックアップか差分バックアップをすることが多いです。

復元時

完全バックアップは1つのファイルのみで復元でき、差分バックアップは2つのファイルで復元ができますが、増分バックアップは増分バックアップした全てのファイルが必要となってきます。
そのため復元速度は完全バックアップ、差分バックアップ、増分バックアップの順に速くなります。
また、ファイルの破損により整合性がとれず復元ができない可能性もファイルの少ない完全バックアップ、差分バックアップ、増分バックアップの順で大きくなります。

世代管理

何回か前のバックアップしたときの状態に復元できるようにすることを世代管理といいます。
例えば
完全1、完全2、完全3
完全1、増分2、増分3
完全1、差分2、差分3
はどれも3世代前まで復元ができます。
記憶装置本体の故障により、復元するときは直前の状態に戻せればいいのですが、ウイルスに感染をしたので感染前の状態に復元したいときや以前削除したけど実は重要なファイルだったということもあります。
このように直前のバックアップ状態に戻すだけでは間に合わないときもあるので数回前のバックアップ時の状態まで戻せるように世代管理をする必要もあります。

増分・差分バックアップでも定期的に完全バックアップ

増分バックアップはバックアップ回数が増えるほど、復元するのに時間がかかり、ファイルの破損の可能性も増えてきます。
差分バックアップもバックアップ回数が増えるほど、初回の完全バックアップ状態からの差が大きくなってバックアップ時に時間も容量もかかるようになります。
次のような状態です。
完全1、増分2、増分3、増分4、増分5、増分6、……
完全1、差分2、差分3、差分4、差分5、差分6、……
そのため増分・差分バックアップでも定期的に完全バックアップを取り直しそこからの増分・差分バックアップをすることをお勧めします。
次のようになります。
完全1、増分2、増分3、完全4、増分5、増分6、……
完全1、差分2、差分3、完全4、差分5、差分6、……
このようにすると増分バックアップ時にはデメリットである復元にかかる時間を少なくしてファイルの破損の可能性も下げることができ、差分バックアップ時にはデメリットである差分ファイルの増大を抑えることができ、増分・差分どちらでもデメリットをある程度回避することができます。
古いファイルの削除は世代管理でバックアップソフトのほうで自動で削除処理をしてくれますが、手動で古いファイルを削除するときは、
増分5、増分6
差分5、差分6
とならないように注意してください。
これだと完全4を削除してしまっているので復元ができません。

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タイトル
完全・増分・差分バックアップについて解説
URL
https://www.nomuramath.com/t3292qgu/
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