実数の補有限位相と分離公理(T1・T2)

実数の補有限位相と分離公理(T1・T2)
実数全体の集合\(\mathbb{R}\)の補有限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)は以下の性質がある。

(1)

補有限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)は\(T_{1}\)空間である。

(2)

補有限位相\(\left(\mathbb{R},\mathcal{O}_{c}\right)\)は\(T_{2}\)空間ではない。
一般的に無限集合\(X\)の補有限位相\(\left(X,\mathcal{O}_{c}\right)\)では\(T_{0},T_{1}\)空間であるが\(T_{2},T_{3},T_{4}\)空間ではないので、正則空間、正規空間でもありません。

(1)

任意の\(a\in\mathbb{R}\)についてその単元集合\(\left\{ a\right\} \)の補集合\(\mathbb{R}\setminus\left\{ a\right\} \)は\(\left|\left(\mathbb{R}\setminus\left\{ a\right\} \right)^{c}\right|=\left|\left\{ a\right\} \right|=1<\infty\)となるので開集合となる。
開集合の補集合は閉集合なので単元集合\(\left\{ a\right\} \)は閉集合となる。
これより、任意の単元集合\(\left\{ a\right\} \)は閉集合なので\(T_{1}\)空間の性質より\(T_{1}\)空間となる。

(2)

\(T_{2}\)空間であると仮定する。
異なる2点\(a,b\in\mathbb{R}\)に対し、\(a,b\)を含む開近傍を\(U_{a},U_{b}\)とおく。
このとき、\(T_{2}\)空間であるので、ある\(U_{a},U_{b}\)が存在して\(U_{a}\cap U_{b}=\emptyset\)となるので\(\left|\left(U_{a}\cap U_{b}\right)^{c}\right|=\left|\emptyset^{c}\right|=\left|\mathbb{R}\right|=\aleph\)となる。
しかし、\(\text{補有限位相}\text{の定義より開集合の補集合は有限集合なので}\left|U_{a}^{c}\right|<\aleph_{0}\land\left|U_{b}^{c}\right|<\aleph_{0}\)となり、\(\left|\left(U_{a}\cap U_{b}\right)^{c}\right|=\left|U_{a}^{c}\cup U_{b}^{c}\right|<\left|U_{a}^{c}\right|+\left|U_{b}^{c}\right|<\aleph_{0}\)なので\(\aleph=\left|\left(U_{a}\cap U_{b}\right)^{c}\right|<\aleph_{0}\)となり矛盾。
よって\(T_{2}\)空間であるという仮定が間違いで背理法により\(T_{2}\)空間でないことが示された。

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実数の補有限位相と分離公理(T1・T2)
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